CALS/EC診断室の設問解説

設問1・2)コンピュータ導入率・全社内及び工務部内
コンピュータ導入率の問いは、全社部分と現場使用の部分をに分けられています。建設CALS/ECでは一人一台のPC導入が前提となっています。建設業登録業種におけるIT化においては工務部内での導入率が重要項目であり、早急に一人一台体制を整備することが大切です。建設業の特徴は現場の存在にあり、現場にこそ自社の「コア」が存在するという意識がない限り、建設企業のIT化は閉塞したまま進展は見られません。建設業のIT化とは「現場のIT化」だということを認識しましょう。
(九州の建設業のPC整備状況・平均50.9% 全社内)九州地方建設CALS/EC推進協議会・2002/6
設問3)コンピュータ導入形態
工務部で利用されるパソコンの多くが社員個人の所有物であることが建設業の特徴である。これは会社のIT化対応の遅さに業を煮やした技術者の「あせり」だと感じられます。業務で使用するものである以上、業務で使用するコンピュータはセキュリティ面からも会社が準備することが必要です。
設問4)社内で使われるOS・アプリケーションの社内標準化が行われていますか
ここでの設問は使われているアプリケーションを問題とはしていません。ここでの問題は使われているOSやアプリケーションが「社内標準」「自社標準」としての意識を持ってIT化が進められているかを問題としています。
現在の建設CALS/ECは様々な協議が行われており、変化し続けています。今後、決定される局面に迅速に対応できるよう「社内標準」を意識してのIT化を進めていくことをお勧めします。そうしなければ、極めて社員の自主性に委ねられたボトムアップ的なIT化となり部署毎、現場毎、個人毎という極めて局部的な勝手な標準が作られ、いざ全社的にネットワークを構築する、標準化を行う場合に過大な苦労を強いられることとなります。
設問5)社内ネットワーク(LAN)について
コンピュータが2台以上あればLANを構築するのは今や常識となっています。(ほとんどがWindowsによるPeer To Peer型)。LAN環境を構築することによりファイル・データの共有とプリンタの共有・設問6の全PCのインターネット接続が可能となります。「現場」が存在する建設業のIT化において必要となるグループウェア・イントラネットを導入する際もスムーズな導入が可能となります。また今後の建設業では、現場を含めた全社的ネットワークの構築が必要となります。
設問6)インターネット利用状況について
建設CALS/ECはインターネットへの接続が前提となっています。電子入札はもちろん受発注者間での関係書類のやりとり(メール受信簿の作成)等、今後の建設業において必要不可欠なものです。CALS対応のアプリケーションを導入したからといって自社のCALSに向けたIT化は終わりではありません。最も重要なことは通信環境(インターネット環境)の整備にあります早期に全てのPCからのインターネット接続を可能とし基本的な操作を習得することをお勧めします。
(九州の建設業のインターネット接続状況・平均24.3%)九州地方建設CALS/EC推進協議会・2002/6
設問7)インターネットメール利用状況について
設問6)と同様メールの利用もCALS/EC対応において必要不可欠なものです。メールに関しては現在建設業において役所とのやり取り等で携帯電話が必要なように今後の建設業においては全社員のメールアドレスの取得が必要となります。公共工事を受注し役所に提出するチェックシートには工事担当者のメールアドレスを記入する欄が設けられています。
(参考:熊本県土木部発行.電子納品事前協議ガイドライン:23ページhttp://www.pref.kumamoto.jp/project/cals_bk/kijun/kz_zizen_c_V060.pdf)
各監督さまが独自のメールアドレスを持ち行政の担当者とメールのやり取りを行うことが前提となっているということです。
設問8)CADの利用状況について
ここでの設問は自社のIT化においてそれほど問題ではありません。未導入というのは論外として建設業においては完成図書の作成等に何らかのCADアプリケーションを利用していれば問題ないでしょう。(ほとんどの建設系CADメーカーが建設CALS/EC対応をするため)但し今後、導入を検討される場合は(オープンCADフォーマット評議会http://www.jpsa.or.jp/ocf/)を参考にしCADを選定していくことが大切です。い。
設問9)工事写真管理について
ここでの設問もデジタル写真管理情報基準(案)(http://www.qsr.mlit.go.jp/s_top/doboku/digital.pdf)
に対応したシステムを導入しておれば特に問題はありません。但し、写真管理についてはフォルダー階層・XML出力等の概念が存在するため完成図書電子納品ソフトと連動するシステムの導入検討をお勧めします。
設問10)御社にはIT化を推進されるITキーマンがいますか
建設CALS/ECに対応するにあたり自社内にITキーマン・IT化推進組織を置くことは非常に大切なことです。社内にCALS・IT化に関して、相談できる人がいるということはIT化において社内標準を策定できることとなります。様々な情報(各監督さまが行政担当者等から指示されたことなど)をITキーマンに相談しCALS推進責任者として全社内にフィードバックできればCALS対応はスムーズに流れるでしょう。選定においてはITキーマンには最低限のITへの知識は必要ですが、だからといって自社の「IT化キーマン」をパソコンに一番詳しい方を選定する必要はありません。IT化のキーマンに必要とされるものは、ITに対する知識よりも、だれよりも業務に精通していることであり、さらにはIT化による組織変革に対する情熱を持っていることです。そしてそれを支えるものとして社長自らのIT化への理解とリーダーシップが存在必要となります。
設問11)御社の社長さまはパソコンを使えますか
社長がパソコンを使えないことをそんなに心配する必要はありません。なぜならパソコンというものは本人にその意思さえあれば必ず使えるようになるからです。それよりも問題なのは設問12のほうで社長さまが今後の自社内の建設CALS化に対して理解を示さない方にあります。
設問12)御社の社長さまはIT化に自ら積極的に取り組んでいますか
今回の診断に中で最も重要な設問なのがこの経営者のIT化に対する取組み姿勢です。

IT化とはトップダウンの作業です。IT化を推進するにあたっては,その推進過程の所々で,導入の決定・資金の調達等、会社にとって重要な意思決定をしなければならない場面に出くわします。その場面で責任も権限もないメンバーでは,適切な意思決定が下せません。情報化は,その企業における経営戦略にそって行われるものです。だからこそIT化の推進は,企業のトップの仕事であり,実務は現場に任せても良いが,最後は企業経営者が自分で責任をとることが最重要なこととなります。国が「e-JAPAN戦略」を打出した以上、建設CALS/ECへの対応は公共工事を主とする建設業において逃れることはできません。これからの建設業界を勝ち抜く為にも,自社にあったITを進めていきましょう

設問13)ISOの取組状況について
ISOに関し取得企業に対して様々な優遇(経営審査事項の評点アップ・入札参加条件等)が実施されています。品質の第三者評価システムとして「ISO9000」は位置付けされています。日本の建設業においては引渡し時の検査等、様々なチェックを行い施工を完了させています。世界的に見ても日本の公共工事建設業はかなりレベルが高いように思われます。よってここでは「ISO」を今後の建設業界において生き残るための変革を行うためのマネジメントツール(経営者自身の「マネジメント」に対する意識向上のツール、社員の意識改革、建設サービス業としての企業改革)として運用することが大切になります。

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